ただ、臨床心理学の知見は、今の仕事に役立つことが分かっていたので、まずは情報収集から始めましたが、すぐ壁に突き当たりました。
1.参考資料が少なく、受験できる大学院の入試情報と過去問収集が大変である。
2.研究計画書の書き方が分からない。先行研究の探し方が分からない。
3.心理学の基礎知識がない。英文読解の基礎学力がない。
4.臨床心理学大学院の受験参考書が少ない。心理英語の問題集が少ない。心理学の入試論文を書くポイントが分からない。事例問題が理解できない。
5.面接でのポイントが分からない等々。
いろいろな問題点を書き出したらうんざりしましたが、私は仕事を続けながら、臨床心理士を目指すつもりなので、時間的な余裕はあります。
そこで英文読解と基礎心理学という出来ることからやり始めました。
【転機】
3ヶ月間、自力で受験勉強をしていると、やるなら合格したいと欲がでてきます。
それで大学院の過去問に挑戦してみるが、まったく歯が立ちません。
2014年春、予備校に入るしかないと腹をくくりホームページで探していたとき、プロロゴスの説明会を知り参加しました。講師の山崎さんから、経験に裏打ちされた大学院受験のポイントを聞き、
私も合格できるのではないかと道が開けた気がして、即日入塾しました。
【志望校選び】
4月から毎週、心理英語と心理学の実践講座を受講するが、特に基礎学力がない英文読解に苦戦。そんなとき、入試科目に英語がない大学院で、受験条件にある心理学の単位が放送大学で習得できるとの情報を聞く。
それで、志望校を1つに絞るとともに、受験勉強を心理学1本に集中しました。
【勉強方法の模索】
受験勉強に気持ちの余裕が生まれたが、毎週の演習問題(模擬テスト)で記憶したはずの用語が思い出せず合格点がとれない。日々の生活で、記憶を素早く再生する頭の使い方をしてこなかったからで、
それからいろいろな勉強法を試しました(あくまでも私見です。)
1.ノートに用語と内容をまとめながら書いて覚える。
・書くことに時間がかかり、労力の割には成績に結びつかなかった。
2.用語説明をボイスレコーダーに吹き込み、通勤時に聞く。
・ 聞くことを意識しないと聞き流し、記憶に残らなかった。
3. 問題の答えを隠し、暗記を何度でも繰り返す。
・ オーソドックスな方法で、成績も向上したが、頭の疲労が強かった。
どの方法も私にとって一長一短があり、年齢的にも仕事と入試を両立する難しさを改めて実感しました。
【自己流勉強法】
成績も思ったほど上がらず、心の晴れない日々を過ごしていた。
あるとき、子どもが電車や車をいつも見ているうち自然に覚えるような方法を使えないかと考えた。それで用語を一つずつ完全に覚えなくても、思い出す回数さえ増やせば覚えることができるのではないか。
つまり、記憶と再生経験を多くすることで脳内のアクセスを活発にし、関連情報への素早い記憶と再生ができないかと考えました。
具体的には、単元別に分類した心理学用語集を作り、用語説明を1~2回再生する(声に出す)だけで、1単元(所要時間約30分)が終われば表に単元と日付を記入する。
終われば次の単元へ移り、勉強時間中はどんどん先に進む。覚えなければという焦りやストレスと脳の疲労を避けるため、回数を増やすことだけ考えました。(あくまでも自己流です。)
【ついに成果が】
勉強を変えて半月、2014年秋の志望校1期入試日は、十分な成果を出せず不合格。しかし、その後の補講では、テストの成績も上がり手応えを感じた。
また同じ単元の繰り返しが5回を超えるころから、再生スピードと正確さが増し1単元15分でできるようになり、表を日付で埋めるのが楽しみになりました。
そして12月の新設校の入試に合格、また志望校2期入試に合格し、私の大学院受験は終わりました。
【受験を終えて】
私は大学院受験に合格しただけで、臨床心理士への勉強はこれから始まります。
でも若いときに採用試験、資格試験に合格したときより何十倍も嬉しく、今は達成感に包まれています。また新たな出発で人生を2度楽しめる嬉しさです。
これも、「大学院受験の壁」をプロロゴスで解決してもらえ、私は必要なことをどう覚えるかだけに集中すればよかったからです。
研究計画書や面接でも多くのサポートを受け、プロロゴスにはとても感謝しています。私より一回りも年上の方も受験されていたことも、大きな励みになりました。
受験を終え、私は受験が人間の総合力を計る最適な手段であると感じました。
当たり前ですが、受験勉強は入試日までの身につけた学力が試されます。その間、受験者は体調を維持しながら、学習計画を立て、実行・継続し、効果を検証・修正する総合力が問われます。
つまり、自己をコントロールし計画を達成できた受験生は成果を得られる。私にとって、限られた時間、体力、能力の配分を考えながら目的を目指す中で、自分の総合力を確認するとてもよい経験になりました。
これからの臨床心理学の学習に役立つと思っています。
【最後に】
臨床心理大学院を目指す場合、個々の事情でさまざまな壁や問題点があると思いますが、自分の力で解決すること、外部のサポートを受けることを明確にして取り組まれるとよい結果につながると思います。
【講師コメント】
受験勉強では、限られた時間の中で結果を出すことが求められます。その結果を出すための勉強方法や勉強の考え方について、この合格体験記を読めば具体的に理解できるのではないでしょうか。
Fさんは、確かに前半では思ったように得点が取れなかったようですが、塾に入って、4、5か月頃から成績が伸びてきて最終的に第一志望の大学院を含む2校に合格されました。
それも、Fさんが何をやって、何をやらないのかを区別し、やるべきことに対して試行錯誤を重ねながら集中して取り組んだからだと思います。