平成27年(2015年)に施行された「公認心理師法」によって、公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。
(1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析
(2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助
(3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助
(4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供
と定義されています。
また、公認心理師法の第一条では「この法律は、公認心理師の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とする。」とあります。
このように「心の健康の専門家」としての役割が公認心理師となります。これまでは民間資格でありながら、特定の大学院をでなければいけなく専門性が高い、臨床心理士が「心の専門家」の代表でしたが、これからはその役割が徐々に公認心理師に移っていくだろうと考えられています。
そして、とうとう平成30年(2018年)に第一回の公認心理師試験が行われました。
今後は公認心理師に対応したコースを持つ大学・大学院を卒業・修了した人が公認心理師になっていくと考えられますが、2022年までは卒業した学部・大学院が公認心理師に対応するとみなされる人と、5年以上の実務経験があり講習を受講した人(通称Gルート)が受験資格を持ちます。
なお、行われた試験はマークシート式で通常試験は午前、午後ともに120分となっています。
臨床心理士の資格試験のような長い事例問題は出ていませんでしたが、多くの受験生が正答を選びきれないマニアックな問題やどうとでも取れる問題も多く出ていました。
なお、9月に行われた本試験の合格率は79.6%、230点満点で138点(60%の正答率)で合格。12月に行われた北海道での試験(9月の北海道の大停電に伴う措置)の合格率は64.5%、230点満点で138点(60%の正答率)で合格でした。一般的に国家試験の第一回試験は合格率が高くなる傾向があり、ここから徐々に60%近くの合格率になる傾向がありますが、今回は北海道の試験で既に60%に近く合格率になっていました。来年度以降どうなっていくか分かりませんが、おそらく70%前後の合格率になるように合格ラインが調整される可能性が高いと思います。
プロロゴスではこれまで臨床心理士資格試験を目指す方向けに講座を行ってきたこともあり、2018年から公認心理師を目指す方向けの対策講座を東京・名古屋で独自開催したり、大学様や各所に依頼されて行っています。現在はオンラインでのみ講義を行っています。