ところで臨床心理士を目指される方はどちらかと言うと女性が多いようですが、当方はアラサー突入を控える既婚男児です。
女性と男性、あるいは年齢によって立場や状況(育児や家事、介護の有無、職業の有無や雇用形態、職種の違い等)は皆異なると思いますので、20代後半の男性というマイノリティ派閥である私の体験や考えが、必ずしも皆さんにとって有益なものになるという自信がありません。
ただ、基本的に合格に必要な基本プロセスも皆同じだとも思っています。その意味ではせめて0.1%位はお役に立てるかもしません(注:個人差有)。
以下、いくつかの視点から各々箇条書きでまとめた形で体験記を書きました。
内容としてはテストで点数を取るための具体的なテクニックというより、どちらかと言うと姿勢・思考方法的な趣向かもしれません。
(捉え方によっては「そんなん個人のブログで書けよ!」って内容かもしれませんけど笑)
もし以下お読み頂ける場合は、どうか「こういう人もいるんだなー」ぐらいで気張らずに、決して受験勉強に支障をきたさない程度に流し読みしていただければ幸いです。
2.受験全体を通してのポイント3つ
※そもそもこれは院試受験に限った話ではないかもしれません。
・具体的な計画
⇒世の中、計画立てて臨んでもいい加減その通りにならない事ばかりですから、そもそもの計画すら無かったら物事がどっちの方向進んでるか把握できないし、コントロールもできなくて当然というのが持論です。
私が今回院試の勉強を始めたのは2015年4月からです。そして本番は2015年9月末と10月頭。「ふ、フロイトって誰だー!笑」な状態から残された時間は半年。
仕事を辞めて受験勉強に集中する道を選び時間的余裕は確保したつもりでしたが、家庭事情的に失敗(浪人)はなんとしても避けたかったです。
このような状況を踏まえ、本番直前1か月までは1か月毎に「その月に必ずすべき事」「できれば手をつける事」「やらない事」を考え、それに沿って勉強していました。そして直前1か月を切ってからは週・日・時間単位で学習計画を組み、本番当日に実力のピークが来るように調整したつもりです。
ただ私は根がズボラ人間ですので、考え方のコツとして「計画の7,8割ぐらいを実行すれば合格ラインに乗ると思われる計画」を意識して考えてました。2,3割はサボります。性格なのでしょうがないです。でも予めサボっても合格できる計画を組んでおけば、余計な焦燥感も感じないし心に余裕もできますよね。
勉強時間で見ると、7月頃までは平均5,6時間/日、8月は7時間/日、9月以降は時間と体力が許すまでやっていました。あまり勉強を時間で語るのは本意ではありませんので参考値ですが…
長期間集中力が持続しないという自身の致命的な!(笑)欠陥から、全力投球ができる期間はせいぜい1か月程度というのがわかっていたので、9月までは7割の力加減で取り組んだつもりです。
これもあくまで計画の範囲内でですが、お気楽な事に9月までは毎月のように旅行などのリフレッシュもキッチリ取り入れてました(笑)
・明確な目標(ビジョン)
⇒これは志望校、あるいは何故臨床心理士になりたいのか、将来どういった分野でどんな働き方がしたいのかという部分になりますかね。特に志望動機に関しては、面接本番直前であたふた考えているようではちょっと遅いかなと思います。
実際は直前に考えた志望理由で本番面接に臨んで合格する事も多分にあり得るとは思いますが、その場合いずれ自分がいざ大学院入ってから、あるいは臨床心理士になってから「こんなはずでは…」と感じる瞬間がやってくると思います。(それもまた人生ですけどね)
前もって明確な目標を持つ事によって、それだけ勉強に熱も入ってくるし、合格の可能性も向上するし、何より自分の身になります。是非、中長期的な視点で目標を整理してから受験勉強に臨まれる事をオススメします。まずは己をよく知る事がポイントです。
・ルーティンの確立
⇒現在(2015年10月)巷でブームのラグビー日本代表 五郎丸選手を拝借する訳ではありませんが…私も昔ちょっとばかりスポーツをかじっていて、今も体を動かす事が好きという影響もあってか、そこそこのルーティン信者です。
私のルーティンには、例えば英語を必ずその日の一番最初に勉強する(⇒院試本番も私の受験校の場合英語から始まりかつ午前中だから)事や、1時間程度のウォーキング・ジョギングを毎日欠かさず行う(⇒汗をかく事による気分転換+前頭葉を刺激して脳の稼働率を上げるため)等々を取り入れてました。
本番当日までこのルーティンをきっちりこなしたお陰か、本番前に気負いや焦り、不安から勉強が手につかなくなるなんて事はありませんでした。体調管理、体力向上、健康維持、ダイエット(実際8kg痩せました笑 受験R○ZAP!笑)のためにも運動は結構オススメです。
3.志望校選びのポイント3つ
私のような他学部出身者の場合特にそうかもしませんが、最初は何を基準に大学院選びしていいのかわからないですよね。
どの大学院が指定校か位はネットで調べれば一発ですが、実際どこにどんな教授がいるかなんて知らないし、自分のやりたい事がその大学できるのかもよくわからないし、話を気軽に聞ける人もいないし…ってな感じが正直なとこかと思います。
私の場合、以下の観点から志望校を決めていきました。
・志望校の現役生や卒業生の声を直接聞く
⇒これはわざわざお金を払って予備校に行くメリットの一つだと思います。
プロロゴス卒業生には様々な大学院に行かれている先輩方や、あるいは既に心理職として活躍されている方がいらっしゃいます。そういった方と交流できるイベントも設けられていますし、仮に無くても自分で積極的に人脈を開拓するくらいの気概があってもいいかもしません。大学主催の説明会に赴いて現役生をとっつかまえるのもいいと思います。勿論、その大学の教授でもgoodです。積極的に動いて話しかけるのが難しい場合は連絡先だけでもなんとか入手して(予備校の先生や先輩を経由してでも)、まずはメールで聞いてみるのも全然アリだと思います。
志望校を考えるにあたり、大学のホームページやパンフレットの文字情報だけではわからない学生や教授の雰囲気というか、直感というか…曖昧ですがそういった感覚も結構重要な気がしましたので、是非後悔無いようやってみてください。
せっかく2年間やりたい事やる為に通うんですから、通いたいと思えるとこに行きたいじゃないですか!
・志望する専門分野と必ずしも完璧にマッチングしてなくても良い
⇒これは本当にあくまで私個人の考え方です。
私の場合、本来学びたかった(将来就きたい)分野を専門にする教授が、自分の調べる限り自宅から通える範囲の大学院にはいなさそうでした。かといって他県に下宿する事も構想外だったため、最低50%位カリキュラム・教授の専門と自分のやりたい事が一致していて、結果将来の自分の肥しになる経験が積めると思えるとこならばOKと考えました。
私もまだ入学したわけじゃないので今後実際どうなっていくかはわかりませんが、入試を終えた今時点では納得のいく志望校選びができたなと思えています。
色んな大学院がありますが、理想と現実の折り合いがつけられそうな学校であれば、堂々とそこを志望校としていいんじゃないかと思います。
結局自分の適性なんてやり始めてみないとわからないし、志望校を選ぶ時点で無碍に自分の可能性を狭める必要もないかと思いますし…ただ、その中でも特にケースや実習が充実しているかどうかは個人的に結構こだわりました。
・より低コストで自分の時間を作れそうなとこ
⇒例えば教授の陣容やカリキュラムがほぼ同じ条件の大学院が幾つか選択肢にあったとします。その場合、現実的にそれぞれの自宅からの通学所要時間や交通費を整理してみるといいと思います。
現実的な問題として、お金や時間はかからないに越したことがないと思いますし、時間も体力も有限ですからね。学費だって決して安くはないし、家庭がある方はそっちに時間を割けるかどうかも重要でしょう。(だから私は自宅から通学可能な国公立大学を基本線に考えました)
4.院試対策する上でのポイント5つ
・過去問分析
⇒これは必須です。敵を知らずしては、対策の立てようがありません。私の場合は6月頃から少しずつ手をつけ始めました。手をつけ始めるタイミングについては早い方が望ましいですが、何のアウトプットができない状態で挑んでも心が折れるだけですし、知識不足を理由にイマイチ傾向が掴めない恐れもあるので、個人的には最低限の実力がついてから手をつければいいんじゃないかと思います。
入試傾向は本当に学校によってまちまちで、専用の対策をどこまで詰められるかによって合格確率は大きく左右されるのではと思っています。特に難関校、人気校を受験する場合はその傾向もより顕著だと思いますので、過去問分析に大きなウエイトを置く事を強くオススメします。
ただ過去問を解くだけでは不十分で、過去の出題範囲やジャンルの把握、どの教授中心に問題が作成されてるかの予測(問題見てるとなんとなくわかります)、何年周期で傾向が変わっているか、出題方法(例:心理学でいえば論述中心か語句説明や選択問題もあるのか、暗記で対応できるレベルなのか体系的理解と論述力が必要なのか、統計知識は必要か等)などから、試験本番の出題予想や仮説を立てられる水準まで持っていくのが理想ではないでしょうか。私の感覚では、ここまでやれれば過去問分析は十分です。
・毎日勉強する
⇒先生も日頃の授業で仰っておられたのですが、例え忙しい日でもとにかく毎日何らかの受験勉強はすべきだと思います。例え15分でも!
勉強を習慣づける意味でも、記憶を定着させる意味でも、モチベーションを維持する意味でも、これは結構重要です。英語は特に!
・優先順位をつける
⇒過去問分析の話と被るかもしれませんが、大学院毎に出そうな領域、出なさそうな領域は必ずあります。少しでも効率的に対策を進めるために、是非出やすいと思われる領域から優先して手をつけていって下さい。(そのためにもやはり過去問分析は必須!)
ちなみに某大学の試験当日、偶然私の隣席に座っていた方は試験開始直前まで一生懸命参考書を見て復習?を頑張っておられていて、思わずその参考書が私の横目に入ってしまいました。しかしそれは「その分野はこの大学では多分出ないよ…」と思わず言ってあげたくなるような参考書でした。残念ながらその方は筆記試験を突破できていませんでした。
院試対策をする中で、全範囲を網羅する事は難しいと思います。だからこそ、きちんと優先順位を立てて勉強する事が大切です。
・研究計画書・面接
⇒特に研究計画書ですが、最初は何からどう書いていいかわからないです。例に漏れず私もそうでした。これに関しても、全面的にプロロゴスの指導についていけば間違いないです。
テーマについての相談も先生に乗っていただけますし、押さえるべきポイントも丁寧に指導してくれます。
そして計画書は早く手をつけ始めるに越した事はないです。私は6月からやり始め、8月頭にはほぼ完成していました。決してないがしろにしてはいけないですが、どの大学の試験配点を見ても合格のためには心理学と英語の実力を蓄える事がまずは先決で、筆記の実力が伸びる追込み期に研究計画書に時間を多く割く事になってしまわぬよう、1日でも早く取り掛かりましょう。
面接についても授業の中で対策をやってくれますので、基本それに従って準備していけばいいと思います。が、これもやはり早くから考え始めるに越した事はないです。先に記した2.受験全体のポイント3つの「明確な目標」でも触れましたが、志望理由や動機は自分が臨床心理士としての人生を送る上での根幹でもありますので、仮に小手先だけで院試は突破できてもそこが曖昧ではその後どっかで躓いてしまう可能性があります。
何ヵ月も前から文言を暗記する必要は全くありませんが、核となる部分は頭の中で時間のあるうちから考えて練って揺るぎ無いものにしておけば本番で例え意地悪な質問されてもブレないですしね。逆に、その核(何を目指して何のために勉強しているのか)を予めクリアにしておけば、院試対策にもより本腰を入れて打ち込めると思います。
・第三者の意見を大切にする
⇒プロロゴスに通うメリットの一つに、先生や他の仲間と出会えるという事があります。
普段の授業の中でも、例えば他の生徒が先生に質問した内容が、一人で勉強を進めていては知る事のできなかった気付きや視点を時に与えてくれたりします。私はそういった他者目線の質問などもできる限り全てメモを取り、自分なりに消化するよう努めていました。
面接対策も同じで、先生や他の仲間から指摘をしてもらえる事で、自分の考えの偏りの洞察やより明瞭に言葉を伝えるコツみたいなものを得られました。そして皆で切磋琢磨しながら力を高めあって、皆で志望校合格できたらそれが一番じゃないでしょうか。
5.最後に…プロロゴスのココがいい!
・アウトプット重視型の授業
⇒本番で戦える力をつけるには、実践を繰り返す中で身につけるのが近道です
・同じ目標を目指す仲間と知り合える
⇒特に孤独な戦いを強いられ易い社会人受験者にとって、仲間の存在は結構心強いです
・事例対策講座(事例問題の出題がある大学院を志望する人向け)
⇒現役臨床心理士の方の講義ですので、よりリアルな視点でヒントが貰えます
・オリジナル模試により、その時の自分の立ち位置や実力がわかる
⇒本番の緊張感に慣れるためにも、復習のためにも有益です
・話しやすくて親切かつ柔軟な対応をして下さる先生のお人柄
⇒わからない事や個人的な要望に対しても優しく親身に接してくれるこの安心感は他には代えがたい価値です
長々と書いてしまいましたが…もしこの体験記の中に何か一つでも力になれそうな事が書けていたならこれ以上の喜びはありません。今後大学院あるいはその先のどこかで皆さん私がとご一緒する事もあるかと思いますので、いつかお会いできる日を楽しみにしております。
また、最初から最後まで親切かつ丁寧にご指導いただきました先生に、この場をお借りして改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。」
【講師コメント】
力作の合格体験記ありがとうございます!受験に対する心構えから志望校の選び方、勉強方法などとても詳しく書いていただいたので、これから受験を志す方には、まずこの合格体験記を読むことをおすすめしたいです。
Yさんは、塾の利用の仕方が上手な方だったと思います。Yさんも、事前に過去問分析を行って勉強スケジュールを立てていました。体験記にも書いてありますが、限られた受験勉強期間の中で合格ラインにもっていくには、勉強すべきことの取捨選択です。出そうなところを優先して、メリハリのある勉強をするのが大切です。そのためにもぜひできるだけ早い段階で過去問を入手して分析してください。