私が心理系の大学院を目指したきっかけは、以前大学院で認定講習を受講した際にスクールカウンセラーをされている先生のお話を聞いて、学校臨床に関心を持ったことがきっかけです。私は高校の教員として働いていますが、実際の教育現場の中でスクールカウンセラーがうまく機能している例が少ないと感じていました。自分自身が、学校臨床に関する専門的な知識やスキルを身につけて、スクールカウンセラーと学校の橋渡し的な役割ができるようになりたいと考えて大学院受験を決めました。
私は働きながら大学院を受験し、働きながら大学院に通いたいと考え、夜間制の大学院を志望しました。働きながら受験するということで、一般の大学生に比べて勉強にかけられる時間が少ないことは覚悟していました。しかも、私は心理系の大学を卒業していないため、心理学に関する基礎的な知識が不足していると感じていました。将来は心理系の大学院に進学したいと考えていたので、通信制の大学で心理学の単位を修得していましたが、受験については漠然としていました。
受験はしてみたいけれど、何をしていいのかわからない、やっぱり今年度は無理だろうと考えていたときに、ホームページでプロロゴスの存在を知りました。迷いながら、電話をすると山崎先生が明るく一度相談に来るように言ってくださいました。数日後に山崎先生とお会いし、「受験してみる価値はある」と言ってくださったので、できるだけやってみようと受験することを決心しました。私が受験を決意したのは、大学院受験のちょうど2ヶ月前です。
限られた時間の中でいかに勉強するかというのが、私の受験のテーマだったと思います。まず、最初に始めたのは研究計画です。どんな研究をしたいかは自分の中にあったのですが、研究計画書の書き方がわからなかったので、先生に相談しながらより具体的なものにしていきました。文献調査や自分が考えていることを1冊のノートに書きだして、研究計画をまとめていきました。私の場合は、研修計画書は比較的短期間で書き上げてしまいましたが、何を研究したいかが決まっていない人は早めに取りかかった方がいいと思います。
研究計画と並行して、過去問に取りかかりました。自分でがっかりするほど解けない問題が多くありましたが、できない問題は調べてできるようにするしかないと考えて前向きに取り組みました。研究計画が完成した後は、過去問に加え臨床心理学のテキストのまとめをしました。過去問を解き終えた後は、過去問に関連のある語句を書き出して、自分なりの予想問題を作って解きました。論述問題は、毎回時間を計って解くようにしました。時間が限られていた私は、「厳選したものを繰り返し解く」という山崎先生の言葉を信じて、あまり手を広げずに自分のできることを1つ1つこなしていくように心がけました。
受験勉強に関して、私が大切だと思うことを3つあげます。
①短期集中、優先順位を考える
働きながら受験をする場合には、時間の制約が多くあります。私は、短い時間だからこそ、集中して取り組むことが大切だと考えました。私の場合は、平日は1~3時間、休日は3~6時間くらい勉強しました。どうしても集中できないときは、気分転換をするために別の作業をするようにしました。また、仕事や家の用事などでどうしてもやらなければならないことがある場合には、先に済ませるようにしました。気になることがあると集中しづらいので、自分がするべきことに優先順位をつけて、勉強に集中しやすい環境を作ることが大切だと思います。私が集中して勉強するために、家族が受験を応援してくれたことも大きかったと思います。
②自分の強み、弱みを理解する
長所・短所は誰にでもあると思います。受験にするにあたって、自分の長所・短所は何かを考えたとき、私の長所は社会人経験があることと文を書くことが嫌いではないということでした。反対に、短所は英語がとても苦手であること、心理学の知識が不足しているということでした。私は社会人経験があったので、希望する大学院では苦手な英語ではなく小論文で受験することができました。心理学の知識については、不足している知識は補うしかないと考えて、限られた時間の中でできるだけ取り組みました。人によって長所・短所はそれぞれなので、自分の強みを活かして弱みを補うことができるように心がけるといいと思います。
③勉強のコツをつかむ
私は2ヶ月前に受験を決めたので、時間がない分、割り切って内容をしぼって受験勉強に取り組みました。このような私の受験勉強は、正攻法ではないと思います。比較的時間をかけてコツコツ進めるタイプの人もいれば、短い時間に集中的に取り組むタイプの人もいます。実際には、どれだけの時間勉強したかというよりも、どれだけ自分の知識として身についたかということの方が重要だと思います。受験までにどのくらいの時間が費やせるのかはそれぞれなので、自分に合った勉強の方法を見つけることが大切だと思います。共通して言えるのは、過去問をしっかり解いて受験する大学院の傾向をつかんでいるかが、ポイントになってくるということです。
受験勉強を振り返ってみると、大変なこともありましたが、とても充実した時間であったように思います。最初は何から手をつけていいかわからない状態でしたが、迷ったときや困ったときには、山崎先生にアドバイスをもらうことができたので、あきらめずに最後まで取り組むことができたのだと思います。合格をした今では、新しい学生生活に期待をするとともに、新たなスタートに向けて気持ちを引き締めています。
本当にありがとうございました。
【講師コメント】
Jさんは、上記体験記でも書いてあるように受験勉強期間がわずか2か月での入試となりました。それ以前に、研究したいテーマが明確であったこと、心理学の基本的知識はあったこと、文章力が高かったこと、そして過去問分析を自主的にそして徹底的にやったことなどが短期期間での合格につながったのだと思います。
特に過去問分析の視点は非常に秀逸でした。受験勉強期間は確かに短いので、誰にでもおすすめできるものではありませんが(笑)、過去問分析に基づいて厳選したものを集中して勉強するということは、受験生の皆さんに参考になるものだと思います。
また社会人として仕事をしながらの受験勉強は、勉強時間の捻出が一番の課題でもあります。Jさんの場合、やるべきことに優先順位をつけて、短時間でも集中して勉強する時間を作っていたようですが、こういった勉強のための環境づくりは特に勉強時間の限られた社会人には必要となってくることだと思います。